インビザラインの清潔さを維持するための正しい洗浄方法!
インビザラインのマウスピースは、1日20〜22時間と非常に長い時間装着します。正しいケアを行わないと口腔内トラブルの原因となり、治療の進行に影響を及ぼす可能性があるでしょう。
今回は、インビザラインのマウスピースの洗浄を怠った際のリスクを解説し、洗浄方法や洗浄に用いるアイテム、洗浄の際の注意点などをご紹介します。
インビザラインの洗浄を行わずに使用するリスク
インビザラインは透明のマウスピースを用いた矯正治療です。洗浄せずに使い続けるリスクを確認しましょう。
虫歯や歯周病になる
マウスピースを使用する矯正治療では、唾液や食べかすによってマウスピースが汚れ、細菌の温床となって虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。
矯正治療中に虫歯や歯周病になると、虫歯・歯周病の治療を優先するために矯正治療が一時的に中断されることがあるでしょう。治療計画を見直す必要が生じることもあります。
口臭が発生・悪化する
インビザラインを洗浄せずに使い続けると、汚れが蓄積されます。細菌や雑菌が繁殖し、口臭が発生・悪化する可能性があるでしょう。
口角炎になる
口角に炎症が起こり、炎症部分が裂けて痛みが生じる口角炎は、口腔内の乾燥や細菌の繁殖によって引き起こされます。マウスピースを装着していると口腔内が乾きやすいので、洗浄が十分でないとリスクが高まるでしょう。
マウスピースが着色する
vインビザラインのマウスピースは透明で、目立ちにくいことが一般的な利点です。汚れが蓄積すると透明性が失われ、着色や濁りが生じる可能性があります。
インビザラインは、矯正治療中の見た目が目立たないことから選択する方が非常に多いです。マウスピースが着色する・濁るなどすると、メリットが損なわれるでしょう。
マウスピースが劣化する
マウスピースに汚れや細菌が蓄積することで、材質が変質する恐れがあります。劣化して変形すると、治療の効果を十分に得られません。
インビザラインの効果を十分に引き出し計画どおりに治療を進めるために、マウスピースを清潔に保つことは大切です。
インビザラインの洗浄方法
インビザラインは毎日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。マウスピースを外すタイミングは、歯科医院での診察以外は食事と歯磨きのときのみです。マウスピースの洗浄は、外したタイミングで行いましょう。
インビザラインの洗浄方法をご紹介します。
マウスピースを外す
表面に傷がつかないように、指先やアライナーリムーバーを用いて慎重にマウスピースを取り外します。奥歯部分に指をかけ、マウスピースを浮かせるように外しましょう。
無理に力を入れて外すと、マウスピースの破損・変形につながるため注意してください。
汚れを除去する
インビザラインのマウスピースは、使用後に水またはぬるま湯でよく洗い、食べかすなどの表面の汚れを取り除きます。清掃する際は、優しく指でこする、柔らかい歯ブラシで軽く磨くとよいでしょう。
汚れが気になる場合は歯磨き粉や洗剤を使っても問題ありませんが、研磨剤が含まれているものは避けてください。マウスピースに細かい傷がつき、汚れが入り込んで細菌が繁殖する可能性があります。
マウスピースを傷つけないよう注意して、丁寧に磨きましょう。
洗浄剤に浸す
汚れやにおいが気になる場合は、マウスピースを洗浄剤に浸して表面に付いた細菌や雑菌を洗浄します。
週に1〜2回の使用を推奨する洗浄剤が多いですが、用法・容量は製品によって異なります。説明書の指示に従って使用しましょう。
においや汚れが気になっても、煮沸消毒や熱湯消毒をすることは避けてください。インビザラインのマウスピースは、高温にさらされると変形するおそれがあります。
マウスピースをすすぐ
洗浄剤などが口の中に入らないように、流水やぬるま湯で十分にすすいでください。
乾燥させる
洗浄が終わったら、雑菌やカビの繁殖を防ぐために乾燥させます。マウスピースの水分を拭きとり、自然乾燥させてください。
ドライヤーの温風を使用して乾かすなど、熱風を当てるとマウスピースが変形する可能性があるので避けましょう。直射日光が当たる場所で乾かすことも避けてください。
インビザラインの洗浄時のおすすめアイテム
インビザラインのマウスピースを洗浄する際におすすめのアイテムをご紹介します。
錠剤タイプのマウスピース用洗浄剤
マウスピースやリテーナー専用の市販の洗浄剤を使用すれば、手軽に毎日洗浄できます。水やぬるま湯に洗浄剤を入れて、泡が出ている間マウスピースを浸して使用するものが多いです。5分ほど経過したらマウスピースを取り出し、しっかりすすぎましょう。
悪臭やマウスピースの着色が気になる場合は、3時間ほど浸けることもあります。洗浄剤の使用方法を確認し、適切に洗浄しましょう。
スプレータイプのマウスピース用洗浄剤
洗浄のための時間を十分に確保できない場合に便利なのは、スプレータイプのマウスピース用洗浄剤です。
マウスピースにスプレーして、柔らかい歯ブラシで優しく磨き、流水で洗い流して使用します。外出先でも手軽に使えるため、持ち歩くとよいでしょう。
マウスウォッシュ
食後は歯磨きするのが理想ですが、難しい場合もあるでしょう。外出先など、食後にすぐに歯磨きできない場合は、マウスウォッシュを使用してください。
歯に付着した大まかな汚れを除去することが可能で、殺菌効果があるマウスウォッシュもあります。歯磨きできない状況で使用すれば、非常に効果的でしょう。
ただし、歯磨きできる状況になったらすぐに歯を磨いてください。
食器用洗剤
殺菌作用が強いので、食器用洗剤(中性洗剤)をマウスピースの洗浄に用いることができます。マウスピースの表面に傷がつかないように、研磨剤が含まれていない食器用洗剤を選んでください。
食器用洗剤を使って柔らかい歯ブラシでマウスピースを磨きましょう。しっかり水で洗い流してから再装着してください。
毛先の柔らかい歯ブラシ
マウスピースのお手入れのために、毛先の柔らかい歯ブラシを用意しましょう。歯ブラシは1か月に1回程度、定期的に交換します。
超音波洗浄機
悪臭の発生を予防したい場合や、洗浄剤・歯ブラシを用いても落とせない汚れを除去したい場合は、超音波洗浄機を使用するとよいでしょう。歯科医院でもマウスピースの洗浄に用いられていますが、マウスピースの洗浄に対応している機種を選びましょう。
超音波洗浄機は、マウスピースを機械に入れてスイッチを入れるだけで洗浄できます。手軽に細かい汚れも除去できるので、購入を検討してはいかがでしょうか。
インビザラインの洗浄時の注意点
マウスピースにダメージを与えないために、洗浄時の注意点を解説します。
研磨剤入りの歯磨き粉を使用しない
マウスピースを洗浄する際は、研磨剤入りの歯磨き粉は使用しないでください。上述しましたが、研磨剤がマウスピースの表面に傷をつける原因になり得るためです。
研磨剤によって生まれた微細な傷には、汚れや細菌が溜まりやすいです。口腔内の健康問題を引き起こすリスクが高まるでしょう。
マウスピースのお手入れ方法としては、研磨剤が含まれていない専用のクリーナーを使用する、水またはぬるま湯で洗浄するのが適しています。
熱湯を使用しない
変形する可能性があるので、マウスピースを熱湯に浸け置きすることや、熱湯で洗うことは避けてください。患者さまの歯にマウスピースが合わなくなり、マウスピースを作り直さなくてはならないケースもあります。
洗浄剤の使用方法を守る
洗浄剤にマウスピースを浸したまま長時間放置すると、マウスピースが劣化する可能性があります。表記されている洗浄剤の使用時間を守りましょう。
インビザライン洗浄後の注意点と保管方法
インビザラインの洗浄が終わったら、ティッシュなどを敷いてすぐに乾燥させてください。マウスピースを濡れたままケースに保管すると、雑菌が繁殖する可能性があります。
すぐにマウスピースを使用しない場合は、自然乾燥させて専用のケースに入れましょう。洗面台などに放置すると、落として破損する、紛失するなど、トラブルにつながることがあります。
インビザラインの洗浄頻度
マウスピースを清潔に保つために、1日1回は必ず洗浄しましょう。また、食事の際に外すたびに、1日3回水洗いするのが望ましいです。
洗浄剤を使用した洗浄は、週に1~2回程度が適切です。洗浄剤によって使用頻度は異なるので、用法を確認して使用しましょう。
口腔ケアも忘れずに!
毎日3回の食事や間食、歯磨きの際などは、マウスピースを外します。可能であれば、インビザラインを外すたびに歯磨きとマウスピースの洗浄をするのが理想です。
マウスピースだけではなく歯も清潔に保つことにより、トラブルを予防できます。治療がスムーズに進むので、歯磨きも怠らないでください。
外出中など時間がないときは、マウスウォッシュを使って手早く口の中に残った汚れや食べカスを落としましょう。歯と歯の間の汚れも、マウスピース装着前に取り除きます。
まとめ
インビザラインはマウスピースを取り外せるので、治療中でも口腔内を清潔に維持しやすいことが大きなメリットです。
しかし、1日20〜22時間装着し続けるため、マウスピースに汚れや細菌が蓄積しやすいでしょう。小まめに洗浄し、汚れを洗い流す必要があります。
マウスピースを傷つける、変形させる、変色させるなど、トラブルにつながらないように適切に洗浄することが重要です。
ワイヤー矯正を検討されている方は、千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。