こんにちは。千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」です。

小児矯正は、子どもの歯並びや噛み合わせを早い段階から整えることで、健康な成長をサポートする重要な治療です。小児矯正にはいくつか種類があり、使用する装置もさまざまあります。そのため、どの治療法を選択すべきか迷われている方もいるでしょう。

そこで今回は、小児矯正の種類や費用、矯正方法選びで失敗しないためのポイントなどについてくわしく解説します。小児矯正を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

小児矯正には1期治療と2期治療がある

小児矯正は1期治療と2期治療の2段階に分けられ、それぞれ異なる目的と特徴があります。ここではその違いについてくわしく解説していきます。

1期治療

1期治療は、一般的に6歳〜12歳までの乳歯と永久歯が混在している混合歯列期に行われます。この時期に矯正をすることで、顎の成長を利用した治療を行うことができます。

1期治療の主な目的は顎の成長をコントロールして、永久歯が適切な位置に生えるようにスペースを確保することです。

早期から治療を始めることで重度の不正咬合を防ぐだけでなく、出っ歯や受け口などの成長とともに悪化する可能性がある問題を早い段階で解消できる可能性があります。

また、早期から治療を始めることで2期治療をする必要がなくなったり、2期治療が必要になった場合でも治療期間を短縮できたりする可能性があります。

2期治療

2期治療とは、主に12歳以降の永久歯が全て生えそろった時期に行われる治療のことです。2期治療では歯そのものの位置を動かして歯並びを整えます。治療内容は基本的に大人の矯正治療と同じです。

1期治療で歯を並べるスペースを確保しておくことで、2期治療がスムーズに進むこともあります。

小児矯正の種類［〜12歳］

小児矯正の1期治療では子どもの顎の成長に合わせたさまざまな矯正装置が使用されます。ここでは、1期治療で使用される装置とそれぞれの特徴について解説します。

可撤式矯正装置

可撤式矯正装置は子ども自身で取り外しができる装置で、主に軽度な不正咬合や顎の発育を補助する目的で使用されます。可撤式矯正装置には、主に以下のものがあります。

拡大床

拡大床とは、取り外し可能なプレート型の装置です。装置に埋め込まれたネジを回すことで少しずつ歯列を頬側に広げていきます。徐々に歯列を広げることで歯が正しい位置に並ぶスペースを作ります。

バイオネーター

バイオネーターとは、下顎の発育を促すために使用する装置です。上顎の大きさに対して下顎が小さい場合に使用されます。就寝時に装着すればよいため、お子さんへの負担も少ないでしょう。

プレオルソ

プレオルソとは、取り外し可能なマウスピース型の装置です。この装置を使用することで舌や口回りの筋肉を鍛えたりバランスを整えたりして、歯並びの改善を目指します。

固定式矯正装置

固定式矯正装置は取り外しができない装置です。歯に固定されているため常に力をかけ続けることができます。そのため、効果が出やすいのが特徴です。固定式矯正装置には、主に以下のようなものがあります。

急速拡大装置

急速拡大装置とは、短期間で上顎に力を加えて歯列を拡大することを目的とした装置です。中央部分にあるネジを回すことで歯列を拡大していきます。主に、下顎よりも上顎が小さいときに使用されます。

リンガルアーチ

リンガルアーチとは、歯を前に出すときに使用される装置です。ワイヤーを歯の裏側に装着し、力を加えることで歯を動かしていきます。歯の裏側に装置を装着するため、目立ちにくいのが特徴です。

顎外固定装置

顎外固定装置は頭や顔の外側に装着する装置です。特に顎の発育に問題がある場合に使用されます。顎外固定装置には、主に以下のものがあります。

ヘッドギア

ヘッドギアとは、特に上顎の成長をコントロールするために使用される装置です。主に、上顎が過剰に成長していることが原因で出っ歯になっているときに使用されます。

フェイシャルマスク

フェイシャルマスクとは、上顎の成長が不足している場合に使用されます。フェイシャルマスクを使用することで上下の顎のバランスを調整し、正しい噛み合わせになるように導きます。

小児矯正の種類［12歳以降］

12歳以降は小児矯正の2期治療に該当します。この段階では顎の成長が終わっていることが多く、歯そのものを動かして歯列を整えることを目的とした治療を行います。以下に12歳以降に行う主な矯正方法を解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットという矯正器具を装着し、そこにワイヤーを通して力を加えることで歯を徐々に動かしていく矯正方法です。複雑な歯列の矯正に対応できる点が特徴です。固定式の装置を使用するため、確実に歯を移動させることができるでしょう。

マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、薄く透明なマウスピースを装着して歯並びを整える矯正方法です。使用するマウスピースは取り外すことができるため、ふだんどおりに食事や歯磨きができます。また、マウスピースは透明であるため目立ちにくい点も特徴です。

マウスピース矯正は、特に軽度から中程度の歯列不正に効果的といわれています。

小児矯正の種類ごとの費用目安

小児矯正の費用は選択する矯正方法や治療期間、歯科医院によって大きく異なります。矯正治療は基本的に保険が適用されません。そのため、費用は高額であるケースが多いです。

ただし、顎の成長に著しい問題がある場合には、保険が適用されることもあるため歯科医師に一度相談してみると良いでしょう。ここでは、小児矯正の種類ごとの費用目安を解説します。

1期治療の費用

上述のとおり、1期治療で使用される装置にはさまざまあります。それぞれの費用の目安は、以下のとおりです。

・拡大床：5万円〜50万円程度
・バイオネーター：5万円〜10万円程度
・プレオルソ：5万円〜20万円程度
・急速拡大装置：3万円〜5万円程度
・リンガルアーチ：5万円〜10万程度
・ヘッドギア：10万円〜20万円程度
・フェイシャルマスク：30万円〜60万円程度

このように使用する装置によって費用は異なります。お子さんの歯並びによって使用する装置は異なり、それぞれ費用も異なるため、詳しくは歯科医師によく確認してください。

2期治療の費用

2期治療では、主にワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びを整えてきます。それぞれの費用は、以下のとおりです。

・ワイヤー矯正：60万円〜150万円程度
・マウスピース矯正：50万円〜100万円程度

ワイヤー矯正の場合、審美性に優れたセラミックブラケットやホワイトワイヤーを使用したり、裏側矯正を選択したりすると通常よりも費用が高額になる可能性があります。

また、マウスピース矯正の場合は、マウスピースの装着時間を守らなければなりません。装着時間を守らないと計画どおりに治療が進まなくなり、マウスピースの作り直しが必要になる可能性があります。これによって、追加で費用が発生する可能性があるため注意が必要です。

小児矯正の種類選びで失敗しないためのポイント

小児矯正にはさまざまな種類があるため、どれがよいのか迷う方もいるでしょう。矯正治療で失敗しないためにはいくつかのポイントを押さえることが重要です。以下でくわしく解説します。

歯科医師に相談する

最も重要なことは、歯科医師に相談することです。上述のとおり、小児矯正の方法にはいくつか種類があります。お子さんの歯並びの状態によって使用する装置は異なるため、歯科医師に相談のうえ、お子さんに合った矯正方法を選択しましょう。

また、治療を受けるタイミングも重要で、早すぎたり遅すぎたりすると治療効果が薄れることがあります。定期的に歯科医院を受診して歯並びの状態を確認してもらい、適切な時期に矯正治療を開始できるようにしましょう。

子どもの性格やライフスタイルに合わせて選ぶ

小児矯正で使用する装置には、取り外しができるものや固定式のものなどさまざまあります。

小さいお子さんの場合は、装置の装着を嫌がることもあるでしょう。そのため、装置に少しずつ慣れさせるために取り外しができる可撤式矯正装置のほうがよい場合があります。

また、楽器の演奏やスポーツをするお子さんの場合は取り外しができる矯正装置のほうが邪魔にならないでしょう。

しかし、取り外しができる矯正装置の場合は装着時間を守らなければなりません。装着時間が守れない可能性がある場合は、固定式矯正装置のほうがよい場合もあります。

このように、お子さんの性格やライフスタイルに合った矯正装置を選択することで、無理なく矯正を進めることができるでしょう。

まとめ

小児矯正で使用する装置には、取り外しができる矯正装置や固定式の矯正装置、顔の外に装着する装置など、さまざまあります。それぞれに異なる特徴があるため、よく理解したうえで選択することが大切です。

お子さんの歯並びの状態によって使用する装置は異なるため、歯科医師に相談のうえ、お子さんに合ったものを選択しましょう。

小児矯正を検討されている方は、千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院では、マウスピース矯正やインプラント、一般歯科、予防歯科、審美歯科など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、 Web診療予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。