インプラント周囲炎とは?症状や放置してはいけない理由を解説!

インプラント周囲炎とは?症状や放置してはいけない理由を解説!

こんにちは。千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」です。

  • インプラント周囲炎とは?症状や放置してはいけない理由を解説!

インプラント治療後に気をつけたい病気の一つに、インプラント周囲炎があります。インプラント周囲炎を放置すると、さまざまな問題を引き起こすおそれがあるためです。

インプラント周囲炎は自覚症状が出にくく、知らないうちに進行しているケースも少なくありません。そのため、早期発見・早期治療が望まれます。

今回は、インプラント周囲炎の概要や、放置してはいけない理由について詳しく解説します。インプラント周囲炎の治療法や予防法もご紹介するので、参考にしてください。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺の組織に炎症が起こった状態です。インプラントの埋入や噛み合わせに問題がないと確認されてから5年以上経過した方のうち、インプラント周囲炎と診断されたのは約28%との報告があります。

インプラント周囲炎は、発症すると症状の進行スピードが非常に速いことが特徴です。気づいたときには重症化しているケースも多いため、早期発見が重要といえます。

インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎になると、どのような症状が出るのでしょうか。

インプラント周囲炎の初期症状

インプラント周囲炎の初期症状としては、歯茎の発赤や腫れ、出血などが挙げられます。ほかの口腔疾患でも起こりやすい症状なので、見過ごされることも多いです。

初期段階でインプラント周囲炎によるものだと気づいて適切な治療が行われれば、インプラントを継続して使用できるでしょう。

インプラント周囲炎が進行した症状

インプラント周囲炎が進行すると、歯茎を押したときに膿が出るようになります。同時に歯茎が下がって歯周ポケットが形成されるので、インプラント体が露出する方もいるでしょう。

放置し続けると顎の骨が溶け出してインプラント体がぐらつき、インプラントが抜けるおそれがあります。顎の骨が溶けていても痛みはほとんど感じないとされており、気づかないうちに進行してインプラント体が抜け落ちることもあるのです。

インプラント周囲炎になる原因

インプラント周囲炎になる原因を確認しましょう。

口腔内が清潔に保たれていない

インプラント周囲炎になる最たる理由は、プラークの増加です。きちんと歯磨きができていないと、インプラントの周辺にプラークが溜まります。プラーク中に潜む歯周病菌が増殖し、インプラント周囲炎を引き起こすのです。

口呼吸をしている

口呼吸の方も、インプラント周囲炎を発症しやすいといわれています。唾液で細菌を洗い流せず、口腔内に細菌が溜まるためです。

基礎疾患がある

基礎疾患がある状態でインプラントを埋入した場合、疾患によってはインプラント周囲炎になる可能性が高まります。例えば、糖尿病の方は、インプラント埋入後に傷や骨の癒合が十分にできないことがあるのです。

また、貧血の方は血液中の酸素が少ないことから、インプラント埋入後の傷が感染症を引き起こしやすいと考えられています。インプラント周囲炎の発症につながるおそれがあるでしょう。

喫煙習慣がある

インプラント周囲炎の発症には、喫煙も大きく関係しています。煙草に含まれるニコチンや一酸化炭素が、血管収縮や血流阻害などを引き起こすためです。

施術した医師の技術が不足していた

施術をした歯科医師の技術不足も、インプラント周囲炎に直結します。インプラント治療では顎の骨にインプラント体を埋入するため、顎の骨や周囲の組織の状態に左右されるのです。

顎の骨の状態や血管・神経の位置、適切な埋入角度などをしっかりと分析せずにインプラントを埋入すると、インプラント周囲炎が起こりやすくなります。

インプラント周囲炎を放置してはいけない理由

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インプラント周囲炎は軽視されることも少なくありませんが、放置せずに速やかに治療することが推奨されています。インプラント周囲炎を放置してはいけない理由は、以下のとおりです。

インプラントを維持できなくなる

インプラント周囲炎になると、最終的には顎の骨が溶け出します。インプラント体は顎の骨に埋入するため、最終的にはインプラントが脱落するでしょう。

顎の骨が溶けた部位には、今後インプラント治療ができません。インプラント治療ができないと入れ歯やブリッジで歯を補うことになり、機能性・審美性に影響を及ぼすでしょう。

ほかの歯が歯周病になるリスクがある

インプラント周囲炎の原因は歯周病菌です。インプラント周囲炎になって仮にインプラント体を抜いたとしても、歯周病菌は口腔内に残り続けます。そのため、ほかの歯が歯周病となるリスクが高まります。

また、インプラント周囲炎によってインプラントがぐらぐらしている場合は、噛み合わせも悪くなるでしょう。ほかの歯に影響を及ぼすリスクがあるのです。

全身に影響を及ぼす可能性がある

歯周病菌は、口腔内にのみ影響を及ぼすわけではありません。歯茎にも血管が通っているため、インプラント周囲炎を放置すると歯周病菌が血管内に吸収され、血液に乗って全身を巡ります。

そのため、全身へ悪影響を及ぼす可能性があるのです。例えば、歯周病菌によって動脈に刺激が加わると、心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化を引き起こす原因になるといわれています。

インプラント周囲炎の治療法

インプラント周囲炎は、放置せずに速やかに治療しなければなりません。インプラント周囲炎の治療方法は、内科的治療と外科的治療に分類されます。

内科的治療

内科的治療では、インプラント周囲炎の原因となる歯垢の除去と、炎症の鎮静を行うのが一般的です。

歯垢の除去では、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を行い、専門の器具で歯垢を除去します。ふだんのブラッシングでは取れない汚れを除去できる、専門的なクリーニングです。

ほかにも、特別な薬剤を用いて洗浄し、歯垢を洗い流す方法もあります。炎症反応が強いときには、抗生剤を服用する場合や、炎症が起こっている局所に薬剤を塗布して炎症を鎮める場合があるでしょう。

外科的治療

内科的治療で症状が改善されない場合は、外科的治療を行います。

外科的治療では、歯茎を切開してインプラント体の表面を露出させ、インプラント体に付着した汚れやプラークを除去します。炎症部位を取り除くこともあるでしょう。

インプラントがぐらつくほどインプラント周囲炎が進んだ場合は、インプラント体を抜去します。顎の骨が残っている場合は、再度インプラント体を埋入することも可能です。

インプラント周囲炎の予防法

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インプラント周囲炎は、予防することが重要です。インプラント周囲炎を予防し、インプラントを長く使い続けましょう。

インプラント周囲炎の予防法は、以下のとおりです。

しっかり歯磨きをする

毎日必ず歯磨きをしましょう。毎食後1日3回歯磨きするのが理想ですが、夕食から寝るまでに時間があく方は、寝る前にもう一度磨くとよいでしょう。

歯磨きの際は、毛先を歯茎に対して45度で当て、歯茎をなぞるように優しい力で磨きます。歯ブラシだけでは落とせない汚れがあるため、歯間ブラシやデンタルフロスも併用すると効果的です。

定期的に歯科医院で検診を受ける

インプラントが安定すると、歯科医院へ行かなくなる方もいます。

しかし、インプラント周囲炎の予防には定期的な受診が非常に重要です。インプラント周囲炎を早期に発見して適切に治療すれば、インプラントを失うことを避けられます。

また、歯科医院を定期的に受診して、歯磨きでは落とせない汚れを除去してもらうことも、インプラント周囲炎の予防につながるでしょう。

禁煙する

喫煙している方は、禁煙を心がけるとインプラント周囲炎の予防につながります。完全に禁煙するのが難しい場合は、まず本数を減らす節煙を心がけましょう。

まとめ

インプラント周囲炎は、ご自身ではなかなか気づきにくく、進行スピードが速いことが特徴です。進行して顎の骨が溶ければ、インプラントの維持・再治療ができなくなります。そのため、インプラント周囲炎は早期発見と早期治療が非常に重要です。

ご自宅でのセルフケアに加えて、歯科医院での定期的なメンテナンスも大切です。継続的なケアでインプラント周囲炎を予防し、インプラントを長く使い続けましょう。

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