気になる部分だけを手軽に!インビザラインの部分矯正について解説!
矯正歯科治療の一種であるインビザラインは、多くの歯科医院で採用されています。聞き慣れないという方も多いですが、エビデンスが積み上がった信頼性の高い治療法です。
インビザラインで気になる部分だけを矯正したいと考える方もいるでしょう。インビザラインには、全体矯正と部分矯正があります。
しかし、インビザラインの部分矯正には治せる歯並びと治せない歯並びがあるのです。
今回は、インビザラインの部分矯正について解説します。インビザラインの部分矯正で治療するメリットやデメリット、部分矯正で治せる歯並び、費用などについて詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
インビザラインには全体矯正と部分矯正がある
矯正歯科治療の一種であるインビザラインには、全体矯正と部分矯正があります。
それぞれの特徴を具体的に解説しましょう。
全体矯正とは
全体矯正とは、すべての歯を対象とした治療法です。一見すると大胆な治療法のように思えるでしょう。
しかし、矯正治療をする場合、歯の一部分だけでなくすべての歯を動かさなければならない症例が多く、インビザラインで治療を受ける方の大半は全体矯正です。全体矯正であれば、全体的な歯並びや噛み合わせを改善できます。
全体矯正はメリットの多い治療法ですが、部分矯正と比較して治療費が高額になる点はデメリットといえます。具体的には、700,000~1,000,000円が相場です。
部分矯正とは
部分矯正とは、すべての歯を対象とするわけではなく、動かす歯の本数を限定した治療法です。例えば、前歯の数本だけを動かせば問題が解決するケースの場合、全体矯正ではなく部分矯正を選択することになります。
インビザラインの部分矯正で治療するメリット
「インビザラインの全体矯正を選択したほうがいいのでは?」という方も多いでしょう。たしかに全体矯正であれば、歯並びの乱れの程度が大きい場合でも改善が見込めます。そのため、インビザラインで治療を受ける方の大半は全体矯正を選択するのです。
しかし、インビザラインの部分矯正で治療するメリットも多くあるため、ここでは3つのメリットをご紹介しましょう。
治療期間が短い
インビザラインの部分矯正の場合、治療期間が短いというメリットがあります。全体矯正の治療期間は、1~3年程度です。
一方、部分矯正の場合は、移動させる歯の本数が少ないため、数か月~1年程度で治療が完了することもあります。
しかし、治療期間が短いといっても、治療後に後戻りを予防するための保定期間が必要です。後戻りとは矯正した歯並びが元の状態に戻ろうとする現象のことで、保定期間中は保定装置(リテーナー)を装着する必要があります。
痛みが少ない
インビザラインは、矯正歯科治療のなかでも比較的痛みが少ない治療法といわれています。なぜなら、アライナー1枚で動かす歯の距離は0.25㎜程度で、弱い力を加えながらゆっくり歯を動かすためです。
強い力を加えて歯を動かすワイヤー矯正とは異なり、強い痛みを感じることはありません。
しかし、歯を動かすという点はほかの矯正歯科治療と共通していることから、全体矯正の場合はある程度の痛みを感じるケースがあります。
一方、部分矯正の場合は動かす歯の本数が少ないため、痛みも少ないのです。また、アライナーは取り外しができるため、ふだんどおりに食事や歯磨きができます。そのため、比較的ストレスなく日常生活を送れるのです。
費用を抑えられる
インビザラインの費用を左右する要素の一つにアライナーの枚数があります。アライナーの枚数が多くなれば、治療期間が長くなり、費用も高額になるのです。
一方、部分矯正で使用するアライナーの枚数は全体矯正に比べて少ないため、費用を抑えられます。
インビザラインの部分矯正で治療するデメリット
インビザラインの部分矯正にはメリットが多いですが、デメリットもあります。
そこで、ここではインビザラインの部分矯正で治療するデメリットをご紹介しましょう。
適応症例が限られる
部分矯正では、文字どおり部分的な矯正治療にとどまります。そのため、多くの歯を大きく動かす必要のあるケースは部分矯正で治療できないのです。
噛み合わせは治せない
インビザラインの全体矯正であれば、歯並びと噛み合わせの改善を図れます。
一方、部分矯正で動かすのは基本的に前歯のため、奥歯の噛み合わせは改善できないのです。
歯を削るケースがある
矯正治療では、歯を並べるためのスペースが必要です。部分矯正ではディスキングという歯と歯の間を削る処置を行い、歯を並べるスペースを作る場合があります。
歯を削る量は0.25~0.5mm程度と少ないため痛みはありませんが、元々エナメル質が薄く知覚過敏の方が歯を削ると、知覚過敏が悪化する可能性があるでしょう。
インビザラインの部分矯正で治せる歯並び
インビザラインの部分矯正で治せる歯並びは、以下のとおりです。
・すきっ歯
・出っ歯
・叢生
・矯正治療後の後戻り
ただし、出っ歯と叢生に関しては軽度の症例に限ります。重度の症例は部分矯正では対応できないため、全体矯正や別の矯正方法を選択することになるでしょう。
インビザラインの部分矯正で治せない歯並び
インビザラインの部分矯正で治せない歯並びは多くあります。
インビザラインの部分矯正で治せない歯並びは、以下のとおりです。
・重度の出っ歯や叢生
・抜歯が必要な歯並び
・正中がズレている歯並び
・重度の受け口など骨格に問題がある歯並び
・全体的な噛み合わせ
部分矯正の場合は移動させる歯の本数や治療範囲が限定されるため、噛み合わせに問題がある歯並びには対応できません。また、抜歯などをして大きく歯を動かす必要がある場合にも対応が難しいのです。
ご自身の歯並びがインビザラインの部分矯正で治療できるかについては歯科医師の診断が必要になるため、気になる方は一度カウンセリングを受けるとよいでしょう。
インビザラインの部分矯正の期間
インビザラインの部分矯正の治療期間は、数か月〜1年程度です。部分矯正の場合、全体矯正と違って歯の移動も部分的なものにとどまります。そのため、治療完了までの期間も短いのです。
しかし、治療が完了して終わりではありません。矯正治療後は歯が元の位置に戻ろうとするのを防ぐために保定装置(リテーナー)を装着しなければなりません。
保定装置を装着する期間を保定期間といい、保定期間は歯を動かすためにかかった期間と同程度となることが一般的です。
インビザラインの部分矯正の費用
インビザラインは保険が適用されません。自由診療となるため、ある程度高額な費用がかかります。具体的には、部分矯正の場合で300,000~600,000円程度かかるケースが多いです。
全体矯正の場合は700,000~1,000,000円程度かかるため、部分矯正は比較的安いといえるでしょう。
まとめ
今回は、インビザラインの部分矯正について解説しました。
全体矯正であれば幅広い症例に対応できますが、治療期間が年単位でかかることや、費用が高額になるなどのデメリットがあります。
一方、部分矯正であれば動かす歯の本数が少ないため、治療期間が短く、費用も比較的安いです。痛みも少ないため、メリットの多い治療法といえるでしょう。
しかし、部分矯正で治療できる歯並びは限られます。軽度の症例であれば対応できますが、重度の症例や噛み合わせに問題がある歯並びなどには対応できません。
ご自身の歯並びがインビザラインの部分矯正で治療できるかについては歯科医師の診断が必要です。気になる方は、一度歯科医院でカウンセリングを受けるとよいでしょう。
インビザラインを検討されている方は、千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。