インビザラインで治療できない5つの症例!代替の治療法も解説!
インビザラインは透明なマウスピースを使用するため目立ちにくく、違和感や痛みが少ない治療法として人気です。
しかし、お口の状態や歯並びによっては、インビザラインで治療できないことがあります。
そこで今回は、インビザラインでは治療できない5つの症例について詳しく解説します。インビザライン以外の治療法についても言及していますので、矯正治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは?
インビザラインとは、マウスピースを使用する矯正方法のことです。インビザラインで使用するマウスピースは薄くて透明なため、矯正治療中の口元が目立ちません。
また、マウスピースは取り外しができるため、矯正治療中でありながらふだんどおりに食事や歯磨きができます。マウスピースを取り外して口腔ケアができるため、ワイヤー矯正よりも虫歯や歯周病になるリスクが低いのもメリットといえるでしょう。
インビザラインは1日20~22時間以上マウスピースを装着することで、徐々に歯を移動させるため、ワイヤー矯正よりも違和感や痛みが少ないといわれています。
これらのことから、インビザラインは矯正治療中の見た目が気になる方や虫歯・歯周病のリスクを減らしたい方、痛みに弱い方におすすめの矯正方法といえるでしょう。
インビザラインで治療できない5つの症例!
インビザラインはマウスピースを使用する人気の治療法ではありますが、症例によっては治療できません。
そこでここでは、インビザラインで治療できない5つの症例を詳しく解説します。
重度の叢生の場合
>歯並びのお悩みのなかで最も多いのが、ガタガタした歯並びである叢生(そうせい)です。
叢生になる多くの原因は、顎が小さいことや顎に対して歯が大きすぎることで、歯を並べるスペースが足りないことです。重度の叢生の場合、窮屈な歯並びになっているため、歯を大きく動かす必要があります。インビザラインはマウスピースを使用して徐々に歯を動かすため、歯を動かす距離が長い症例には不向きだといわれているのです。
また、重度の叢生の場合、歯を並べるスペースを確保するために抜歯をすることがあります。抜歯をすると歯を動かす距離が長くなるため、インビザラインでは治療が難しいでしょう。
骨格に問題がある場合
インビザラインは骨格に問題がある症例には対応できません。
骨格的に問題がある症例は、以下のとおりです。
・重度の出っ歯
・重度の受け口
・過蓋咬合
それぞれ詳しく解説します。
重度の出っ歯
重度の出っ歯になる原因は、上の顎が大きすぎる・下顎が小さすぎるなど、顎のバランスが悪いことです。
軽度の出っ歯であればインビザラインでも治療できますが、重度の出っ歯は顎のバランスに問題があることが多いため、インビザラインでの治療は難しいでしょう。
重度の受け口
重度の受け口になる原因は、上下の顎の位置がズレていることです。インビザラインでは、顎の位置のズレまで矯正できません。そのため、インビザラインで重度の受け口の治療はできないのです。
過蓋咬合
過蓋咬合とは、上顎が大きすぎる・下顎が小さすぎることが原因で、噛み合わせが深すぎる歯並びのことです。
このように、上顎が大きすぎる・下顎が小さすぎるなど顎のバランスが悪いことや、上下の顎の位置がズレているなど、骨格に問題がある症例の場合、インビザラインで歯並びを整えても根本的な解決にはなりません。そのため、外科的な治療で顎の骨のバランスを整える必要があります。
特に、重度の受け口や過蓋咬合は下顎に負担がかかりやすく、放置すると顎関節症を引き起こすため、なるべく早く治療しましょう。
重度の歯周病の場合
インビザラインをはじめとした矯正治療は、歯に力をかけて移動させることで歯並びを整えます。
そのため、歯を支える顎の骨が溶けている重度の歯周病の場合にも治療できないことがあります。
歯周病とは、歯の周りの歯茎や顎の骨が炎症を起こす、進行性の病気のことです。放置すると症状が悪化し、重度の歯周病になると歯がグラつくことや、自然に歯が抜けることがあります。
矯正治療は歯に力をかけて移動させるため、重度の歯周病で歯がグラついている場合には、インビザラインだけでなくほかの治療法でも対応できないでしょう。
また、歯のグラつきが改善されない状態で矯正治療を受けると、歯が抜ける恐れがあります。そのため、重度の歯周病の症状がある場合にも、インビザラインをはじめとした矯正治療は受けられないのです。
抜歯の本数が多い場合
インビザラインは徐々に歯を動かす治療法のため、抜歯をして歯を大きく動かす必要のある症例には適していないといわれています。例えば、重度の叢生や重度の出っ歯など、歯を並べるスペースが足りない症例などです。
抜歯をすることで歯を並べるスペースを確保し、効率的に歯並びを整えられます。
しかし、抜歯の本数が多いと、歯を動かす距離が長くなるため、インビザラインでの治療は難しくなるでしょう。
インプラントがある場合
インプラント治療とは、顎の骨に歯の根の代わりとなるインプラントを埋め込み、その上に歯を補う治療のことです。インビザラインはマウスピースを使用し、歯の周りの歯根膜に力をかけることで、徐々に歯を動かします。
しかし、インプラントは人工物で歯根膜がありません。そのため、インプラントの歯をインビザラインで動かすことはできないのです。しかし、インビザラインの治療に影響しない箇所にインプラントがあるのであれば問題ありません。
インビザラインをおすすめできない方とは?
インビザラインでは治療できない症例があることをおわかりいただけたのではないでしょうか。加えて、インビザラインをおすすめできない方もいます。
インビザラインをおすすめできない方は、以下のとおりです。
・マウスピースの装着時間や交換時期を守れない方
・定期的に通院できない方br>
それぞれ詳しく解説します。
マウスピースの装着時間や交換時期を守れない方
インビザラインは、ワイヤー矯正のように歯科医師が調整しながら治療を進めるわけではありません。
インビザラインは1日20~22時間以上マウスピースを装着し、1週間~10日ごとに新しいものに交換する必要があります。患者様自身でマウスピースの装着時間や交換時期を守るなど、いわば「患者様主導ですすめる矯正治療」なのです。
マウスピースの装着時間や交換時期を守れないと、計画どおりに治療が進みません。そのため、マウスピースの装着時間や交換時期が守れない方は、ほかの治療法を検討しましょう。
定期的に通院できない方
患者様主導で治療を進めるといっても、1~2か月に1回は歯科医院を受診し、計画どおりに治療が進んでいるか、マウスピースの調整は必要か、虫歯・歯周病はないかを確認してもらいます。
定期的に通院して、状況に応じた適切な処置を受けないと、治療期間が延長になる場合もあるでしょう。また、虫歯や歯周病などの口腔トラブルの発見や対処が遅れる場合もあります。
そのため、定期的に通院できない方にも、インビザラインはおすすめできません。
インビザラインで治療できない場合はどうしたらいい?
インビザラインで治療できない場合にはどうしたらいいのでしょうか。
インビザライン以外の選択肢には、以下の2つが挙げられます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯に力をかけながら歯並びを整える矯正治療です。
歯の表面に矯正器具を固定するため、歯に力がかかりやすくなります。歯に大きな力をかけられるため、インビザラインよりも幅広い症例に対応できるのです。
ワイヤー矯正には、以下の3つの種類があります。
・表側矯正:歯の表面に矯正器具を装着
・裏側矯正:歯の裏側に矯正器具を装着
・ハーフリンガル矯正:上の歯は裏側矯正・下の歯は表側矯正
表側矯正は歯の表面に矯正装置を固定するため、口元の金属部分が目立ちやすいです。そのため、矯正治療中の見た目が気になる場合は、透明や白色などの見えにくい色のブラケットやワイヤーを選択する、もしくは裏側矯正やハーフリンガル矯正を選択するとよいでしょう。
インビザラインとワイヤー矯正の併用
インビザラインだけで治療できない症例でも、ワイヤー矯正と併用することで治療できることがあります。ワイヤー矯正は1本1本の歯に矯正装置を装着するため、歯を大きく動かすのが得意です。
一方で、インビザラインはマウスピースを交換しながら少しずつ歯を動かすのが得意です。そのため、歯を大きく動かすケースではワイヤー矯正、歯並びや噛み合わせを微調整するケースではインビザラインを選択することで、効率的に治療を進められるでしょう。
まとめ
インビザラインはお口や歯並びの状態、症例によっては治療できないことがあります。
重度の叢生や骨格に問題がある場合、抜歯をして歯を大きく動かす必要がある場合は、インビザラインで治療ができません。また、歯並びの問題だけでなく、重度の歯周病の場合やインプラントがある場合など、お口の状態によって治療できないこともあります。
しかし、インビザラインで治療できない場合でも、ワイヤー矯正で治療する、またインビザラインとワイヤー矯正を併用することで治療できることもあります。
インビザラインで治療できるかどうかは、歯科医師に相談しましょう。当院では、患者様に合った治療法をご提案させていただきます。
インビザラインを検討されている方は、千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。