喫煙をしていてもインプラント治療は可能?与える影響とリスク

喫煙をしていてもインプラント治療は可能?与える影響とリスク

こんにちは。千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」です。

  • 喫煙をしていてもインプラント治療は可能?与える影響とリスク

「タバコをやめなくてもインプラント治療はできるのかな?」「タバコとインプラント、どんな関係があるの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。喫煙は、インプラントにさまざまな影響を与える恐れがあります。

今回は、喫煙者でもインプラントができるのかどうか、禁煙期間はどれくらい必要なのかについて解説します。喫煙がインプラントに及ぼすリスクなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インプラントとは

インプラントとは、虫歯や事故などで根っこごと歯を失った時の治療方法です。

歯茎を切開してチタンでできた人工歯根を顎の骨に埋め込み、人工歯根と顎の骨が結合するのを数ヶ月待ちます。その後、連結パーツであるアバットメント、歯茎から上にでる部分の上部構造(人工歯)を被せて治療が完了します。

インプラントは、人工歯根を作るので噛んだ時の感覚を損ないにくいです。入れ歯やブリッジなどと比較すると機能性が高いとされています。

また、上部構造にはセラミックなどの審美性が高い素材を使用することが多いです。見た目も非常によい治療方法だといえます。

喫煙者でもインプラントはできる?

喫煙者でもインプラントを受けられることはあります。1日の喫煙本数が多くない一般的な喫煙者の方は、治療を受けられるケースが多いです。

ただし、1日に21本以上喫煙するヘビースモーカーの方は、歯科クリニックによってはインプラント治療を断られるケースもあります。

また、喫煙者の方がインプラント治療を受ける際は、治療期間中は禁煙するよう指示されることが多いです。具体的には、少なくともインプラント手術の2〜3週間前から、治療期間中と手術後1〜2ヶ月程度の禁煙を指示されるでしょう。

喫煙者は非喫煙者に比べ、インプラント治療後にトラブルが起こる可能性が高いです。詳しくは後述しますが、インプラントの成功率が下がる可能性があるということを覚えておかなくてはなりません。

喫煙がインプラント治療に及ぼすリスク

  • 喫煙をしていてもインプラント治療は可能?与える影響とリスク

喫煙がインプラント治療に及ぼすリスクは、以下のとおりです。

・骨とインプラント体の結合が弱まる
・治療期間が延びやすい
・インプラント周囲炎の発症リスクが上がる
・喫煙者は保証の対象とならないことがある

一つずつくわしく解説します。

骨とインプラント体の結合が弱まる

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血流が悪くなると、必要な酸素が歯茎や周辺組織に行き届きにくくなります。

その結果、インプラント体と顎の骨の結合が弱まり、インプラント治療が失敗するリスクが高まるのです。インプラント治療は、インプラント体と骨が結合することを大前提とした治療です。結合がうまくいかなければ歯がしっかりと支えられません。

また、インプラント手術が成功しても、喫煙を続けるとインプラントを入れてから数年経ってインプラントがグラグラし始めたり、抜け落ちたりするケースもあります。

治療期間が延びやすい

喫煙者は、非喫煙者に比べて治療期間が長くなる傾向があります。ニコチンの影響でインプラント体と骨の結合に時間がかかるケースや、血流の悪さから歯茎を切開した後の傷口の治癒に時間がかかるケースが多いためです。

非喫煙者の方のインプラント治療にかかる期間の平均は3ヶ月〜1年程度といわれていますが、喫煙者の場合は上記の理由から1年以上かかる場合があります。

インプラント周囲炎の発症リスクが上がる

インプラント治療後の特有の病気である、インプラント周囲炎の発症リスクを高めることも喫煙のリスクといえます。インプラント周囲炎とは、口内細菌の繁殖が原因で起こる病気で、歯茎や周辺組織に炎症が起きます。

重症化すると顎の骨が溶けてインプラントを支えきれなくなり、インプラントが抜け落ちることもあります。ニコチンの影響で血流が悪くなり免疫力が下がると、インプラント周囲炎の原因となる細菌への感染リスクが高まるため、インプラント周囲炎になりやすいです。

感染症を引き起こしやすい

インプラントのように外科手術が必要な治療では、手術中や手術後の細菌感染のリスクがあります。タバコにより免疫力が低下していると、非喫煙者に比べ傷口から感染症を起こしやすいでしょう。

術後1週間以上痛みが続いたり、膿が出たりする場合は、インプラント周囲の組織が感染している可能性があるので注意が必要です。

喫煙者は保証の対象とならないことがある

インプラントには部品にメーカーの保証がついていたり、歯科クリニックが独自に保証プランを設けていたりする場合があります。保証内容や保証期間はメーカーや歯科クリニックによって異なりますが一般的に5〜10年間の保証としているところが多いです。

保証期間内にインプラントが破損したり脱落したりなどのトラブルが起こった場合、無償でインプラントを交換できることがあります。

ただし、保証には条件があることが多いです。一般的な保証条件は、以下のとおりです。

・保証期間内であること
・定期メンテナンスを受けていること
・日常生活で起こった破損であること
・歯科医師の指示を守っていること

そのため、歯科医師から禁煙の指示があったにも関わらずタバコを吸い続けている場合、何かトラブルが起こったときは保証を受けられケースが多いです。

インプラント治療後は喫煙してもいいの?

インプラントを長持ちさせるには、インプラント治療後にも禁煙したほうがよいでしょう。インプラント治療後の喫煙は、インプラント周囲炎のリスクを高めるほか、口内全体の免疫力も低下させます。インプラント以外の歯にも良くない環境を作り出すからです。

喫煙にはメリットがなく、大切な時間とお金をかけて行ったインプラント治療が無駄になる原因にもなります。インプラント治療を機に禁煙を考えている場合は、一時的ではなく、なるべく長く禁煙し続けたほうが、大切な歯やインプラントを守れるでしょう。

インプラント治療後のメンテナンスが重要な理由

  • 喫煙をしていてもインプラント治療は可能?与える影響とリスク

インプラント治療後は、歯科医師から定期メンテナンスのために通院するように指示があります。治療後に定期メンテナンスに通っていないと、インプラントに何かトラブルがあった時に保証を受けられない場合がほとんどです。

インプラント治療後はなぜメンテナンスが大切なのでしょうか。その理由を確認しておきましょう。

・自覚症状がないことが多いから
・口内を完全に綺麗にすることは難しいから

それぞれ解説していきます。

自覚症状がないことが多いから

インプラント周囲炎になっても、痛みなどの自覚症状があらわれないことが多いです。定期メンテナンスに通っていないと、重症化するまで気づかない可能性が高くなります。

インプラント周囲炎の初期段階から治療をスタートできれば、インプラント周囲の歯石を除去し、抗生物質の服用や歯磨きの見直しなど、簡単なケアで症状が改善することがあります。

発見が遅れると歯茎を切開してインプラント表面を清掃したり、インプラントを取り除いたりする外科的治療が必要になるかもしれません。定期メンテナンスでクリーニングをしていれば、細菌感染で起こるインプラント周囲炎の発症リスクを抑えられます。

初期段階から治療を始められれば、ンプラントを失わずに使い続けられるでしょう。

口内を完全に綺麗にするのは難しいから

毎日綺麗に歯磨きをしていても、歯と歯の間や歯と歯茎の境目など、どうしても磨き残しが発生する場所があります。ご自身の歯磨きだけでは不十分なことがあるのです。

定期メンテナンスで細かい部分の汚れもしっかり取っていれば、磨き残しが原因で起こる虫歯やインプラント周囲炎のリスクを抑えられます。

また、自己流で行ってしまいやすいセルフケアも、定期メンテナンスで磨き残しの多い場所や歯磨きの癖など教えてもらえれば質を高められるかもしれません。正しい歯磨きの仕方を学べば、インプラントを長持ちさせられる可能性が高まるでしょう。

まとめ

喫煙は、インプラントと骨の結合を弱めたり、インプラント周囲炎や術後・術中の感染症のリスクを高めたりなど、さまざまな影響を与えることがあります。

喫煙者がインプラント治療を受けるときは、治療の2〜3週間前から治療後3ヶ月程度は禁煙をすすめられる可能性が高いでしょう。ヘビースモーカーの方は、インプラント治療を受けられないこともあります。

喫煙習慣はインプラントに悪い影響を与えるだけでなく、ほかの天然の歯にもダメージを与えます。インプラントとご自身の歯を守るために、禁煙を検討するのがいいでしょう。

禁煙に加え、定期メンテナンスもしっかり行い、快適にインプラントを使用し続けてください。

インプラントを検討されている方は、千葉県流山市にある歯医者「ABC歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

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